ギャルゲー 想い出の彼方 シスタープリンセス

ゲーム開始すぐの時点でまずびっくりした。ギャルゲーに無茶設定はつきもので、それは大抵の場合は「ギャルゲーのお約束だから」で説明がつくものですが、(中には「お約束」では説明できない「日本全国に12人の幼馴染がいい感じで散らばって居る」といったものもありますが)、「お約束」に突っ込むのは(一応は)野暮な訳ですし、「お約束」ですらない超設定でも、大抵のゲームの場合はどんなにとってつけたような物であっても一応理由だとか。いい訳めいた説明がなされるのが普通です。

しかし、シスプリにはそれがない。
ギャルゲ的世界観の中ですら「妹が9人いる」という状態は明らかに異常な訳ですが、その事についての説明は一切抜き。まるで妹が9人いるのは誰にも身に覚えのある普通の家族のあり方、とでもいっているかのようにように主人公も妹達も誰もその事に疑問を抱かない不思議。そしてゲーム開始後すぐに妹が更に3人増える(笑)

3人の妹達と不意打ち的に引き合わされた主人公は、父親や母親が事前に説明してくれなかったので驚いた、というような事を脳内でのたまうのだけれど、この件に関してはそれだけで済ませてしまって、翌日からこれまで居た9人と新規の3人の妹達を同じような強度で可愛がるようになる・・・。葛藤だとか苦悩という言葉とは一生無縁そうな主人公が羨ましいですわ。プレイヤーである自分はこの時点で頭を抱えました。が、プレイするとますます頭を抱えることになるとはこの時点では予想もつかなかった(笑

と、いうのもある程度プレイしてみた時に、このゲームは妹からひたすら慕われること、と妹をひたすら可愛がること、以外の要素がまるで存在しないんですよね。妹は12人全員が全員「お兄ちゃん大好き!」でそれ以外の言動や思考はほぼないといって過言ではないですし、別に何か事件が起こるわけでもないんですから。脇役はただ妹の「兄LOVE」を際立たせるためのスパイスですし、12人の妹達は互いに姉妹の関係の筈ですが、2回の全員集合イベント以外は互いの事を存在すらしないものだと思っている節すら感じられます。というか「妹」という設定すらも「主人公をひたすら慕う少女キャラ」という状況を作り出すためのリーズナブルな言い訳ですらないんだろうなぁと思います。

妹から慕われていればそれでよし、世界に二人だけの俺と妹、的な時間と空間、その二人だけの関係も最初から兄大好きな妹と、妹大好きな兄ですから安定してしまっていることこの上なし。むしろ約束を1回すっぽかしただけで途端に兄LOVEの呪縛がとけたかのように世界から排除される非本命妹の存在が怖い。この二人の世界の外はきっと虚無なんだろうなぁ、という事は間違いく感じられます。本当は怖いギャルゲーの世界みたいな話です。

わざとやっているのか意識しているのかはわからないけれど、やることは可愛いヒロインを愛するのみ」というシンプルで且つ欲望にストレートすぎる作りに徹していたがゆえに、「シスプリ」はギャルゲーというものがどれだけヤバイものなのかと知らしめているという点でギャルゲ「いくところまでいってしまった」感のある作品なんじゃないかなぁ、と思います。

まぁ、自分の好みとしては、そんなものは感じられない作品の方がいいですし、まぁ、狂った設定のキャラが多い割には弾け具合が足りないだとか、やっぱりギャルゲーをプレイして怖い気持ちになるよりは楽しい気分になりたい、というのが本音ですかねぇ。

ということで、シスプリはあまり乗れなかったですね。でも凄いゲームだと思います。色々な意味でね。
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by zefiro01 | 2007-04-26 06:31 | ゲーム


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